法人税法23条の2(外国子会社から受ける配当等の益金不算入)

法人税法23条は、法人株主が配当等を受ける場合に、当該配当等の益金不算入を認める規定です。

これに対して今回の法人税法23条の2は、内国法人が外国に子会社を設立した場合などにおいて、当該内国法人がその外国子会社から配当等を受けるときに当該配当等の益金不算入を認める規定です。

今回はこの23条の2について解説します。

法人税法23条の2が導入された理由

法人税法23条の2は平成21年度改正によって導入された規定です。

日本の法人が外国に子会社を作って、その外国子会社が事業等によって得た利益を本国の親会社に配当した場合、親会社が受ける当該配当には法人税法23条の適用はなく、原則として全額益金算入となり、法人税が課税されることになります(法人税法23条1項カッコ書き)。

このように、外国子会社の獲得した利益を本国の親会社に配当として送金すると、当該配当金に課税されるならば、「日本の親会社に対する配当は辞めておこう」という動機が働きます。

そうすると、せっかく日本の企業が外国に子会社を設立して獲得した利益が日本に戻ってこない可能性があります。

そこで平成21年度改正によって、内国法人が一定の外国子会社より受ける配当等の金額のほぼ全額について、益金不算入とするルールが導入されました。これが法人税法23条の2の規定です。

これにより企業グループの配当政策の決定に対する中立性が確保され、外国子会社が獲得した利益を必要な時期に必要な金額だけ課税上の不利益を被らず、日本の親会社に送金することができることになります。

法人税法23条の2の規定の適用を受けるための要件

この制度の適用を受けるためには、内国法人である親会社が①保有割合と②保有期間の2つの要件を満たす必要があります。

法人税法23条の2の適用を受けるために内国法人である親会社が満たすべき要件

① 保有割合・・・親会社は外国子会社の発行済株式の総数または議決権の25%以上を保有しなければならない

② 保有期間・・・①の状態がこの制度の適用を受ける配当等の額の支払義務の確定する日以前6月以上継続していること(外国子会社が6月以内に設立された新設法人である場合、①の状態が設立の日から配当等の額の支払義務が確定する日まで継続していること)

益金不算入額

益金不算入となる金額は外国子会社からの配当等の額の全てではなく、配当等の額に係る費用の額として、配当等の額の5%相当額が控除されます。

つまり配当等の額のうち95%が益金不算入となります(法人税法23条の2第1項、法人税法施行令22条の4第6項)。

このように配当等の額のうち95%を益金不算入とする理由は以下のとおりです。

配当等の額のうち95%を益金不算入とする理由

たとえば、日本の親会社は外国子会社から1000万円の配当を受けました。そして当該配当を受けるために50万円の費用を要しました。これを仕訳で表すと以下のようになります。

支払手数料 50万円/現金預金 50万円
現金預金 1000万円/受取配当金 1000万円

支払手数料50万円は受取配当金1000万円を得るために要した費用です。しかし、外国子会社から受けた配当金1000万円はその全額が益金不算入になります。そうすると、益金に算入されない受取配当金1000万円を獲得するために要した支払手数料50万円が損金算入されるという「ちぐはぐ」な状態になります。

よってこのような場合は「益金に算入されない受取配当金1000万円を獲得するために要した支払手数料50万円は損金算入すべきでない」ということが言えそうです。

そこで①
支払手数料 50万円・・・損金不算入
受取配当金 1000万円・・・益金不算入

とすることが考えられますが、制度上はこのようにしません。どのようにするのかというと、支払手数料50万円は損金算入させたまま、受取配当金1000万円からこの支払手数料50万円を差し引いた額を益金不算入とすることになります。

つまり②
支払手数料 50万円・・・損金算入
受取配当金 950万円・・・益金不算入(50万円は益金算入

とします。こうすることで、損金算入される支払手数料50万円と同額の益金が50万円計上され、両者が相殺されることで、①と同じ結果を導くことができるのです。

そして②において受取配当金の益金不算入額を求めるにあたっては、受取配当金1000万円から実際の支払手数料50万円を差し引くのではなく、「受取配当金1000万円×95%=950万円」として求めます。つまり受取配当金1000万円を獲得するために要した支払手数料をその配当等の額の5%(1000万円×5%=50万円)と簡便的に定めているということです。

タイトルとURLをコピーしました