退職年金等積立金に対する法人税

法人税法には「各事業年度の所得に対する法人税」だけでなく、「退職年金等積立金に対する法人税」、「外国法人の法人税」について規定されています。

今回は「退職年金等積立金に対する法人税」について簡単に解説したいと思います。

法人税法においてこれら3つが区分されている理由

「各事業年度の所得に対する法人税」は法人税法の2編第1章(法人税法21条~80条の3)において、「退職年金等積立金に対する法人税」は法人税法の2編第2章(83条~137条)において、「外国法人の法人税」は法人税法の第3編(138条~163条)にそれぞれ規定されています。

3つに区分されているのは、これらはそれぞれ「課税対象、課税タイミング、対象法人」が異なるため、まとめて1つに規定できないからだと思われます。

たとえば「各事業年度の所得に対する法人税」の課税対象は益金から損金を差し引いた課税所得ですが、「退職年金等積立金に対する法人税」の課税対象は積立金や運用益が課税対象となります。

また「各事業年度の所得に対する法人税」の対象法人は内国法人ですが、「外国法人の法人税」の対象法人は外国法人です。

このようにこれらは別々に規定した方が法律が明確になり、その運用もしやすくなるため、区別されていると思われます。

退職年金等積立金に対する法人税の概要

会社が従業員の退職金のために、それを専門に取り扱う会社に退職年金等の掛金を支払うことがあります。

この場合、会社が専門の会社に掛け金を支払うという行為は「会社の従業員が給与を受け取って、そのお金で掛け金を支払っている」と見ることができます。そして、そのお金を運用して得られた利益とその元本を退職後の元従業員に支払うことになる、と見ることができます。

そうであるなら、従業員は会社から掛金の額に相当する所得を受けている訳なので、その所得に課税されるのはもちろんのこと、その掛金の運用益にも課税されてしかるべきです。

そこでそのような退職金を受け取ることのできる従業員が負担すべき所得税を、法人段階で課税しようというのが「退職年金等に対する法人税」です。

ただし、退職年金等積立金に対する法人税の課税は平成11年4月1日から現在まで停止されています(租税特別措置法68条の5)。

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