法人税申告書の提出期限

法人税申告書の提出期限は、原則事業年度終了の日の翌日から2月以内です。

他方、株主総会は、事業年度終了の日(この日を「基準日」とする)から原則3月以内に開催しなければなりません(会社法296条1項、124条2項)。

しかし、法人税申告書の作成は「確定した決算」に基づいて行わなければならず、「確定した決算」とは株主総会の承認を受けた決算です。

よって、法人税申告書の提出の流れは「①株主総会を開催して、決算書につき承認を受けて決算を確定する→②確定した決算に基づいて法人税申告書を作成して提出する」ということになります。

つまり、株主総会の開催は事業年度終了の日(基準日)から3月以内とされていますが、順序的には法人税申告書の提出期限である事業年度終了の日から2月以内に行わなければ決算が確定せず、法人税申告書を提出期限までに提出できないことになります。

このように、法人税申告書の提出期限と株主総会の開催期限は密接に関連するため、このような問題が発生します。そこで法人税法では、こうしたケースや災害などの予期せぬ事態にも柔軟に対応できるよう申告期限の延長が認められています。

今回はこの法人税申告書の提出期限を、株主総会開催日の話を加えて解説します。

法人税申告書の提出期限(原則)

会計期間と事業年度

個人事業主の場合、会計期間は1月1日から12月31日と所得税法で定められています。他方、法人は個人事業主のような会計期間の指定がないため、基本的に法人側で自由に会計期間を設定します。

もっとも、会計期間は1年を超えることができず(会社計算規則59条2項)、1年以内の範囲で設定する必要があります。

よって法人は、自社の事業内容や業務の実態に応じて、たとえば「4月1日から3月31日、7月1日から6月30日まで」といったように、任意の期間を会計期間として設定できます。

そして、会計期間を定めた場合は当該期間が「事業年度」(法人税を計算するための基礎となる期間)となります。

法人税申告書の提出期限(原則)

内国法人は、原則として事業年度終了の日の翌日から2月以内に、法人税申告書を提出しなければなりません(法人税法74条1項)。

たとえば、事業年度が4月1日から3月31日の場合、翌事業年度の5月末までが、原則的な法人税申告書の提出期限となります。

株主総会の開催日(原則)

株式会社は会社法に規定により、「基準日」というものを定めなければなりません(会社法124条1項)。

「基準日」を定めた場合、その日に株式を持っている株主(基準日株主)には、議決権などの権利が与えられ、その権利行使期間は3か月以内となります(会社法124条2項)。

そして多くの会社は、この「基準日」と「決算日」を一致させています。

よって、たとえば3月決算の法人は、その年の6月末までに株主総会を開催することになります(会社法296条1項)。

株主総会の開催日は実質的に1か月短縮されてしまう

法人税申告書の提出期限は、原則事業年度終了の日の翌日から2月以内です。

他方、株主総会は、事業年度終了の日(この日を「基準日」とする)から原則3月以内に開催しなければなりません(会社法296条1項、124条2項)。

しかし、法人税申告書の作成は「確定した決算」に基づいて行わなければならず、「確定した決算」とは株主総会の承認を受けた決算です。

よって、法人税申告書の提出の流れは「①株主総会を開催して、決算書につき承認を受けて決算を確定する→②確定した決算に基づいて法人税申告書を作成して提出する」ということになります。

つまり、株主総会の開催は事業年度終了の日(基準日)から3月以内とされていますが、順序的には法人税申告書の提出期限である事業年度終了の日から2月以内に行わなければ決算が確定せず、法人税申告書を提出期限までに提出できないことになります。

このことから株主総会の開催日は、法人税法の影響を受けて実質的に1か月短縮されることになります。

法人税申告書提出の基本的な流れ

上記のように、株主総会の開催日は法人税の影響を受けて実質的に1か月短縮されることになります。

そして、基本的にはこの「株主総会の開催日が1か月短縮される」ということを法人が許容して、法人税申告書を提出することになります。

つまり、決算日の翌日から2月以内に株主総会を開催し、決算書につき承認を受けることで決算を確定し、当該確定した決算に基づき法人税申告書を作成して、決算日の翌日から2月以内に法人税申告書を提出します。

これが法人税申告書提出の基本的な流れです。

災害その他やむを得ない理由がある場合(法人税法75条1項)

たとえば会社の建物が火事で焼失し、その対処に追われて株主総会を開催している場合ではないときがあります。

このような場合を想定して設けられている規定が法人税法75条1項です。

法人税法75条1項は、「災害その他やむを得ない理由によって、株主総会を開催できず、決算を確定させることができない場合、税務署長は法人の申請に基づき、期日を指定して申告書の提出期限を延長することができる」としています。

定款等の定めまたは法人に特別な事情がある場合(法人税法75条の2第1項)

たとえば、会社の定款等において「株主総会の開催は決算日から2月と15日を経過した日に開催する」と定められている場合、決算日の翌日から2月以内に決算を確定させることができず、法人税申告書を提出できないことになります。

このような会社が存在することを想定して設けられている規定が法人税法75条の2第1項です。

法人税法75条の2第1項は「定款等の定めまたはその法人に特別の事情があることにより、決算日の翌日から2月以内に株主総会が招集されない常況にあると認められる場合、税務署長は法人の申請に基づき、申告書の提出期限を1か月延長できる(1度申請すれば、その後の事業年度においても延長が認められる)」としています。

見込納付

法人税法77条において、法人税の納付期限は申告書の提出期限(法人税の納付期限=申告書の提出期限)と定めています。

つまり、たとえば申告書の提出期限が決算日(3/31)の翌日から2月以内(5/31)であった場合に、たとえ申告書の提出期限の延長が認められても、納付期限の延長は原則認められず、5/31までに法人税の見込納付は済ませておかなければならないということです。

よって、法人が定款で「株主総会を決算日から2月を超えて開催する」と定めた場合など、会社の都合で法人税の申告を決算日の翌日から2月以内にできずに延長する場合は、納付期限の延長は認められず、納付期限までに法人税を見込納付することが必要です。

しかし、災害が起きてどうにも申告・納付することができないような場合は、申告だけでなく、納付期限も延長される可能性があります。

法人税の申告期限が土日祝で税務署が閉まっている場合

法人税の申告期限が土日祝で税務署が閉まっている場合、その次の平日(税務署が開く日)が申告期限となります。

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