法人税法25条(資産の評価益)、33条(資産の評価損)

今回は企業会計上、資産の評価を行うことで生じた「資産の評価益」や「資産の評価損」につき、法人税法上どのように取扱うのかについて解説したいと思います。

法人税法25条(資産の評価益)、法人税法33条(資産の評価損)

法人税法25条(資産の評価益)

企業会計上、資産の評価替えを行うことにより「資産の評価益」が生じた場合、原則として当該評価益は益金に算入しません(法人税法25条)。

「資産の評価益」は手元にある資産の中に含まれる未実現の利益であり、実現主義を採用する法人税法ではこのようなあやふやな利益は、原則として益金に算入しないのです。つまり、資産が法人の手元から離れて、資産の中に含まれる利益が実現した時に益金に算入するのです。

また、「資産の評価益」が益金算入されるとなると、資産の価値を正確に評価する必要があり、手間がかかります。

さらに、企業としては損金の方が益金よりも多い事業年度は、保有する資産の中から含み益のある資産を選び、時価評価を行って評価益を計上して益金に算入し、損金と相殺するということがなされ、反対に益金の方が損金よりも多い事業年度は、保有する資産の中から含み損のある資産を選び、時価評価を行って評価損を計上して損金に算入し、益金と相殺するということがなされてしまいます。つまり、法人所得の計算に恣意性が介入してしまうのです。

このような理由から、「資産の評価益」は原則として益金に算入しないのです。

法人税法33条(資産の評価損)

企業会計上、資産の評価替えを行うことにより「資産の評価損」が生じた場合、原則として当該評価損は損金に算入しません(法人税法33条)。

「資産の評価損」が損金算入されるとなると、資産の価値を正確に評価する必要があり、手間がかかります。

また、企業としては損金の方が益金よりも多い事業年度は、保有する資産の中から含み益のある資産を選び、時価評価を行って評価益を計上して益金に算入し、損金と相殺するということがなされ、反対に益金の方が損金よりも多い事業年度は、保有する資産の中から含み損のある資産を選び、時価評価を行って評価損を計上して損金に算入し、益金と相殺するということがなされてしまいます。つまり、法人所得の計算に恣意性が介入してしまうのです。

このような理由から、「資産の評価損」は原則として損金に算入しないのです。

会社更生法の規定に従って行われる資産の評価替えなどの場合について

会社更生法の規定に従って行われる資産の評価替えなどの場合においては、例外的に「資産の評価損」の損金算入を認め(33条4項)、「資産の評価益」の益金算入を認めています(25条2項、3項)。

これは、会社更生法や民事再生法といった法律の手続に法人税法の扱いを合わせたと言えます。

企業会計上、資産の評価替えを行ったときの法人税法上の資産の帳簿価額

企業会計上、資産の評価替えを行うことによる「資産の評価損益」は、原則として益金・損金に算入されません。

これに対応する形で、法人税法上の資産の帳簿価額は、資産の評価替えがなされる前の帳簿価額になります(25条5項、33条6項)。

たとえば企業会計上、ある資産の帳簿価額が100万円でした。当該資産の期末時価は80万円であったので「評価損20万円」を計上するとともに、資産の帳簿価額を80万円に減額しました。

このような場合、法人税法上は当該「評価損20万円」は損金に算入せず、法人税法上の当該資産の帳簿価額も100万円に添え置かれるということです。

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